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 おはようございます。
さあ、6月も折り返し、大阪も梅雨入りして今朝も鬱陶しいお天気です。
お出掛けには、足下など十分にご注意下さいね。

さて、今朝は羨ましいような、心温まるご夫婦のお話しをご紹介させて頂きます。梅雨の合間にでも、ゆっくりお読み下さいね。

『2人だけの糸でんわ』

 幼い少年と少女が、糸でんわで名前を呼び合うシーンをテレビドラマで見て、懐かしさがいっぱい広がった。新婚の頃、月末になると百円玉が数枚しかない日が何日かあった。

 夫になかなか言えなくて、糸でんわを思いついた。

「お金がないので、今夜のおかずは魚1匹です」。

 糸でんわを耳にした夫の横顔がゆるみ、唇が笑った。

「赤ちゃんが出来たの」。

 長男の時も、次男の時も、糸でんわで告げた。
2人だけの世界があった。介護施設にいる夫は、歩くことも、ことばを紡ぐことも出来ない。あの頃のことを思い出して、糸でんわを作った。

 夫の耳に当てて、話しかけてみるけど何の反応しない。

「もしもし」と言ったら唇を動かしてください。

「明日また来るからね」と言ったらうなずいて下さい。

「じゃあね」と言ったら少しでいいから手を振って下さい。

でも……と、私は思った。

 ことばが出るようになったら、夫は最初に「俺のこと、随分子ども扱いしていたね」と笑うだろう。そうしたら、私は糸でんわの紙コップが破れるくらいの大声で、笑い返そう。

 神奈川県葉山町
 山田くみ子 主婦 79歳
【朝日新聞 ひととき】より

□本当にほのぼのした良いお話ですね。晩年まで、こんなに仲良く過ごせる夫婦って、本当に素晴らしいなと思いました。

また以下は、私がお客様からお聞きしたお話しもご紹介させて頂きますね。(笑)

私は保険代理店の仕事をしていますが、今朝のお話の山田くみ子さんと同い年くらいのお客様が、数年前に以下のお話をして下さり、大変微笑ましく、感動したことを思い出しました。(笑)

「やはり新婚当時、お給料前になるとお金が無くて、お味噌汁と漬物くらいしかおかずがなかった時があったそうです。 

 それで、その奥様は家にあった雑誌の中の料理の写真を切り抜いて、テーブルの上に置いておいたんだそうです。

 そうしたら、仕事を終えて帰って来たご主人が、それを見て大声で笑ってくれた」と。
2人の笑顔、笑い声、最高のおかずになると思います。

ほんと、微笑ましいですね。(笑)