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 おはようございます。
今日は小学校で運動会のところもあるようですが、大阪は少し肌寒くこれから雨になる予報でちょっと心配ですね。

 さて、今朝は先週ご紹介しました姥捨て山(うばすてやま)伝説についてご紹介させて頂きますが、こういうお話しを読むと、いかに今の日本が豊かで平和かを改めて実感します。

『姥捨て山』

 姥捨て山は、※棄老伝説に材をとった民話。
※棄老(きろう)=高齢者を殺害すること、または高齢者を見捨てて死に至らしめること。

法令、※口減らしなどのために高齢の親を山に捨てることとなった息子と、その親の物語である。
※口減し(くちべらし)=「口」は口の数、すなわち人数の意 )。人数を減らすこと。
特に、生活費を助けるために、家族の中の何人かを他の家に奉公に出したり、養子にやったりすること。

 大きく「枝折り型」と「難題型」、それらの複合型に分けられる。

「枝折り型」
 山に老いた親を捨てるために背負っていく際に、親が道すがら小枝を折っている(あるいは糠(ぬか)を撒いていく)のを見た息子が何故かと尋ねると、

「お前が帰るときに迷わないようにするためだ」と答える。

 自分が捨てられるという状況にあっても子を思う親心に打たれ、息子は親を連れ帰る。
他に、年老いた親を捨てに行く際に子供も連れて行くが、担(かつ)いできたモッコごと親を捨てようとする。

 すると、子供から「おっ父を捨てるときに使うから、モッコは持って帰ろう」と言われ、親を捨てる非道さに気付き、姥捨てをやめるという内容のものもある。

「難題型」
ある国の殿様が、年老いて働けなくなった者は役に立たないから山に捨てよという非情なお触れを出す。ある家でもお触れに逆らえず、息子は泣く泣く老親を山に捨てようとするが、結局捨てることができず、密かに家の床下にかくまって世話をする。

 しばらくの後、殿様が隣の国からいくつかの難題を持ちかけられ、解けなければこの国を攻め滅ぼすと脅されるが、息子はそれらの難題を老親の知恵によって見事に解いてみせる。

 隣の国は驚いて、このような知恵者がいる国を攻めるのは危険だと考え、攻め込むのをあきらめる。老人のすばらしい知恵のおかげで国を救われたことを知った殿様は、老人を役に立たないものと見なす間違った考えを改め、息子と老親にたくさんの褒美を与えると共に、お触れを撤回し、その後は老人を大切にするようになった。

 ちなみに、話に登場する難題の中でも比較的よく知られたものと、その答えを紹介します。

・根元も先も全く同じ太さに加工されている木の棒のどちらが根元でどちらが先かを当ててみよ。

(答え:木の棒を水面に浮かべると、根元と先では重さが違うため、棒は少し傾く。下を向いた方が根元で、上を向いた方が先。)

・灰で作った縄を持って来い。

(答え:縄に火をつけて戸板の上で燃やせば、簡単に灰の縄ができるから、それを戸板に乗せたまま持って行けばよい。)

・複雑な形に曲がりくねった竹筒の穴に糸を通せ。

(答え:竹筒の一方の口に蜂蜜を塗り、糸を結び付けた蟻を反対側の口から入れると、蟻は蜂蜜の匂いにつられて穴を通り抜けるため、糸を通すことができる。)

・姿も色も大きさも全く同じ親子の馬のうち、どちらが親でどちらが子かを当ててみよ。

(答え:二頭の馬の前に、餌(えさ)を入れた一つの桶を置くと、親馬は子馬に先に食べさせる。)

・叩かなくても鳴る太鼓を持って来い。

(答え:太鼓の皮をはがして、生きている蜂の群れを太鼓の中に入れ、皮を張り直す。太鼓の中で蜂が飛び回ると、太鼓に張ってある皮にぶつかって音が出る。)

 なお、「叩かなくても鳴る太鼓」を見て驚いた隣の国の殿様が、中の仕組みを見ようとして太鼓の皮をはがすと、太鼓の中から蜂の群れが飛び出してきて殿様を刺しまくり、隣の国の殿様はさんざんな目にあったというオチの付いた話もある。

 一方で、姥捨て伝説の一部にはその信憑性を疑われるものも存在する。長野県の冠着山(かむりきやま)は俗称を「姨捨山(おばすてやま)」といい深沢七郎が『楢山節考』で姥捨て伝説を結び付けた。

 しかし、日本思想史学者の古田武彦は地元の放光院長楽寺への現地調査の結果などからこの地に姥捨て伝説はなかったと結論付けている。

【ウキペディア他を参考にまとめました】