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 おはようございます。
さあ、3月に入り今朝の大阪は大変良いお天気になりました。でも、まだまだ冷たいですね。
そんな中、昨夜ある方から、「梅の花の季節で、明日は阪急岡本の梅林公園と保倉山にハイキングに行く友人がいます。寒いですが確実に季節の花は咲いていますね」と、嬉しいメールを頂戴しました。
今月末にはもう桜の季節ですね。笑

日本のアニメが大好きで、ずっと日本に憧れていたアメリカ人青年

 さて、今朝のお話は、小さい頃から日本のアニメが大好きで、ずっと日本に憧れていたアメリカ人青年が、世界一難しいと言われる日本語を覚えようと、東京のある大学に留学し、九州旅行を計画して驚いたお話です。
 日本語には、漢字、ひらがな、カタカナの他、丁寧語や季語等も有り、覚えるのは世界一難しいと言われています。
 彼は日本で暮らし始め、一生懸命に勉強している中、さらに日本人の優しさや食事の美味しさ等、良い意味で日本人には驚かされることばっかりだったそうです。
 そして、もっと日本文化について詳しく知りたいと強く思い、九州旅行を計画したそうです。
九州を選んだのは、大好きな日本のアニメ「進撃の巨人」の作者、諫山氏の故郷(大分県)であり、その進撃の巨人のミュージアムもあるからだそうです。

『アメリカ人青年が日本の落書きを見て驚愕』

 九州についていろいろ調べてみると、驚くべき記事を発見した。なんと、1559年に書かれた落書きの記事だった。
 鹿児島県大口市、今は伊佐市という名前になっているその場所には、郡山八幡神社と言う神社がある。そこを改修した時、本殿の柱のすみっこから、木片に墨(すみ)で描かれた落書きが見つかったそうだ。そして、それにはこう書かれていた。

 日本人は、これがサラッと読めるのかなあ?漢字とカタカナが混ざっている文章は初めて見たし、見たこともない漢字もあって、僕にはとっても難しかった。
 だから記事をよく読んでみると、この落書きを書いたのはニ人の大工だった。
内容は、「その神社の神職がとてもケチで、焼酎を飲ませてくれなくて迷惑だ」という悪口だったらしい。
 そしてこの落書きの終わりには、永禄2年、つまり1559年8月11日という日付と、これを書いた二人の大工の名前まで書かれていた。
 酒にまつわる恨み事をわざわざ書き残して、その木片をシレッと、元の柱に隠していたところ、1954年まで誰にも発見されなかったそうだ。
 つまり、400年近くこの悪口は隠されていたんだが、僕が驚いたのは、お酒を飲ませない神職がいたことじゃなくて、また、悪口の内容も可愛らしくて面白いけど、それについてでもない。
なんと、今から450年以上も前の大工が、読み書きができるということに驚いた。

 自分の名前や日付だけじゃなくて、ひらがなとカタカナ、そして、漢字を巧みに使って、嫌味ったらしい悪口を書いている。

きっと、この大工たちは、貴族でも何でもない普通の庶民だろう?
しかも、この神社がある鹿児島は、江戸や京都からかなり離れている。
だって、今東京に住んでいる僕が飛行機で移動する距離だからね。

 九州の一般市民が、こんなにも昔に、しかもあの難しい日本語の読み書きができているということに僕はとてつもなく衝撃を受けたんだ。
 そこで僕は、文字の読み書きができる人の割合、「識字率」について調べることにした。
まず、この大工たちが生きていた室町時代の日本の識字率はどうだったんだろう?
当たり前だけど、当時の正確な識字率は分からない。だけど、当時海外から日本へやって来た人々は、読み書きができる日本人の割合がとても多いことに驚いていたみたいだ。
 例えば、日本に最初にやって来た宣教師のフランシスコ=ザビエルが言うには、男女問わず、ほとんどの人は読み書きが出来て、特に武士や商人は際立って読み書きが出来ていたらしい。
また、同じく、宣教師のルイス=フロイトが島原にやって来た時も同じような記録を残していた。
「この土地では、男女問わず、ほとんどすべての人が読み書きを知っている」と書き残している。
彼らの残した言葉から、当時の日本人の識字率が高かったことと、男女を問わず読み書きが出来たことが分かった。
 つまり、裏を返せば、この時代では、宣教師たちの母国では識字率が低く、男女で大きな差があることが当たり前だったということだ。
一説には、江戸末期の日本人の識字率は全国平均で約60%以上、江戸の町では約70%以上だったと言われている。
 この数字は、江戸末期の全国の人口や寺子屋の数、そこで勉強した人の割合から計算されている数値だから、かなり信憑性が高いと言える。
 この頃、江戸を中心として、全国に「貸本屋」という店がたくさんあったらしい。これはその名の通り、本を貸しているお店で、どの店にもお得意さんがいたみたいだ。
 子供からお年寄りまで人気の店だったらしく、庶民が読書を日常的に楽しんでいた様子からも、日本人の識字率の高さが伺える。これは、驚くべきことだ。
では、同時期の世界の識字率はどうだったのだろうか?

 当時のイギリスの識字率は20~25%。フランスに至っては、1.5%ほどだったみたいだ。
それにしても、当時の日本人の識字率が、世界水準から見ても、とんでもなく高いことに驚いた。
でも、どうして日本はこんなに識字率が高かったんだろう?それを調べていくうちに、日本人は昔から教育熱心だったということが分かった。
 室町時代には、一般庶民の教育をしてくれる寺(後の寺子屋)が少しだけ現れていた。フランシスコ=ザビエルの記録にも残っている。
 しかし、それだと近所に勉強を教えてくれる寺がないと教育を受けられないはずだ。
ところが、そういう場所に住む人々はどうしていたかというと、なんと旅僧という人が教育をして回っていたらしい。

 旅僧というのは、各地を巡りながら、修行するお坊さんのこと。1555年頃に書かれた文章には、ある旅層が村人に「いろは」を教えたという物語が残っている。
他にも、農村では、御伽草子(おとぎぞうし)の読み聞かせが行われていたり、能や神楽(かぐら)みたいな演芸、琵琶法師による「平家物語の語りが行われていた。
 こうして、当時の庶民は、読み書き以外にも、知識や教養、道徳感を身に付けることができたんだね。これは、本当に凄いことだね。
こうやって、お寺で勉強を教えるスタイルは世界にはない。
なんと、幕末には全国に1万以上の寺子屋が存在していたみたいで、8割以上の日本人が通っていたみたいだ。 
 日本の、世界に比べてずば抜けて高い教育水準は、この辺りの影響だと思われる。
明治維新後、いち早く世界の中で近代国家の仲間入りを果たしたのも、この教育水準の高さだと思う。
 九州旅行の計画を立てていたつもりが、僕は日本人の教育熱心さ、そして、識字率の高さにとても驚かされる結果になったよ。
 今度の九州旅行では、郡山八幡神社に行ってその落書きを探してみようと思う。
この神社では、あの落書きからインスピレーションを受けた「愚痴唱え絵馬」というものがあるらしい。
参拝者が、その絵馬に愚痴や文句を書いて供養してもらえるんだそうだ。
日本人はこういうユニークな発明をするのが本当に上手だよね。
思わず笑ってしまったよ。
 その絵馬に何か愚痴を書いた後は、大工たちが飲みたがっていた焼酎も飲んでみたいな。笑

海外の反応

  • これは面白い。450年を経て、大工たちが書いた悪口が世界中に広まっちゃったわけだね。
  • 16世紀は生きた日本の労働者たちが読み書きができたというのはほんとに凄いことだ。ドイツでは考えられない。しかも日本語は世界一難しいからね。
  • この時代の日本の識字率は世界一だ。ヨーロッパなどの先進国よりもかなり高かったようだ。
  • 日本では近代が誕生する前から近代が存在していたんだ。明治維新を経た日本が、とてつもない速度で工業化に成功したのも、このおかげだったんだと思う。

【日本あれこれチャンネル】より