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おはようございます。
さあ、7月最後の土曜日、子どもたちは夏休みに入り、お子様のいらっしゃるご家庭では賑やか毎日を過ごされていると思います。
それにしても暑い毎日、今日も暑くなりそうです。くれぐれも熱中症などお気を付け下さいね。
さて、こんな暑い毎日ですが、訪日外国人の数も増え、同時に世界中のメディアが日本文化の取材に来日しているそうですが、今朝は、フランスの情報番組に取り上げられた話題が面白かったので、ご紹介させて頂きます。
『日本人は頭が悪いのか?』
~フランス全土で大反響の理由とは?~
世界3大料理とは、フランス料理、トルコ料理、中国料理とされていますが、近年では、イタリア料理と日本料理も加えた、世界5大料理とする場合もあるようです。
そして、その世界3大料理の一つに数えられるフランス料理ですが、そのフランスでは今、日本食に注目が集まっています。
フランスで人気の情報番組のクルーが、日本を取材するために来日しました。この番組は、世界の食文化を紹介するフランスの人気番組です。
※クルー=仲間
今回は、日本の食文化を取材した映像をスタジオで番組司会者や出演者とともに、VTRを見ながら番組が進行していきます。外国人にも人気の日本食と言えば、寿司や天ぷら、ラーメンなどを想像すると思いますが、意外にも、フランスで高い人気を誇るのが「カニカマ」だと言います。
フランスを含め、ヨーロッパでは「surimi」と呼ばれ、親しまれているのです。また、最近のフランスでの日本食のトレンドと言えば「おむすび」です。パリにおむすび専門店がオープンし、今では連日大行列の人気店となっています。しかも、パリの人々にとって、おむすびは、おしゃれな食べ物として認識されているのです。
それは、ベジタリアンやヴィーガンにも対応できるため、気軽に食べられるおむすびは健康指向の強いパリジェンヌにヒットしました。
※ベジタリアン、ヴィーガン=どちらも菜食主義者ですが、ベジタリアンが肉や魚を食べないのに加え、ヴィ-ガンは、卵、乳製品、ハチミツも食べない完全菜食主義です。
番組では、日本人にも大人気のおむすび専門店を紹介しました。
フランスでは見たこともない。豊富な種類のおむすびに、番組の司会者が驚きの声を上げます。
日本食は、魚を中心に、様々な食材をバランスよく組み合わせることで、栄養の偏りがなくヘルシーだと認識されています。また、醤油や味噌、酢などの発酵調味料を使用することで、腸内環境を整え、栄養素の消化吸収を助ける効果が期待できます。
これらの日本食のエピソードが、スタジオ内で紹介されると出演者からも拍手が上がりました。
ところで、日本での取材中クルーたちはある商業施設のレストラン街で食事を摂ることになりました。取材クルーの1人で新人のクルーが、レストランの前のガラスケースに展示されている色とりどりの料理に目を奪われています。
皆さんこんにちは。私はエミリー・ルボアです。
今回初めて日本へ取材に行って来ました。そこで、驚くべきものを見たのです。
それは、レストラン前のガラスケースに並べられた料理の数々です。
「日本人はものを大切にする。『もったいない』文化がある」と聞いていたのに、ガラスケースには大量の料理が並べられています。
写真の付いたメニューが用意されているのに、なぜわざわざ本物の料理を展示するのでしょうか?毎日大量の食材を無駄にしていることに不快感すら覚えました。しかも、隣の店を見ても同じように料理が展示されています。
その隣の店も、どの店もガラスケースに食べ物をそのまま入れているのです。この料理は、後からスタッフが食べるのだろうか?とも思いました。
しかし、それにしても衛生管理に問題は無いのでしょうか?ここまでする必要があるのでしょうか?私は馬鹿げていると思いました。今回初めて日本へ行くにあたり、日本はとても素晴らしい国だと聞いていましたが、期待を裏切られた気持ちでいます。
私は先輩クルーにガラスケースに並べれた料理について、日本に対して期待はずれだったと話しました。すると、先輩クルーは大笑いするのです。私は何が起きたのか全くわかりませんでした。
先輩は笑いをこらえながらこう言います。
「エミリー、あれは本物の食べ物ではないわ」
「いいえ、そんなはずはありません。本物の食べ物です。本物の食べ物でないのなら一体何なんでしょう?」私はもう一度ガラスケースに近づいて、料理をよく見ました。
そう言われれば、スパゲティーを巻いたフォークが中に浮いています。料理がよく見えるように、斜めに傾けたトレイに乗ったスープは傾いていません。
「本当に食べ物ではないの?」私は思わず叫んでしまいました。
先輩は言います。「あなたのその反応を見て思ったわ。私たちは日本に慣れ過ぎたみたいね」
こうして、私は初めて食品サンプルの存在を知ったのです。
エミリーの反応見た先輩クルーたちは、自分たちがいつの間にか日本の食品サンプルがある光景に慣れていたことに気づかされました。
そして急遽、日本特有の食品サンプルを取材することに決まりました。
取材先は岐阜県にある工房でした。食品サンプルの材料はロウです。温めて、溶かしたお湯の中に引き込んでいくと、ロウが薄く伸ばされ、みるみるシワが寄っていきます。
そして、この白と黄緑色の薄く広がったロウを、左右に転がしながら巻き付けます。
最後にもう1枚作って丸く巻きつけると、あっという間にレタスが出来上がりました。
包丁で半分に切ってみると、断面の色合いも、新鮮なレタスそのものです。
エミリーを始めとしたフランス人取材クルーたちは、職人の手際の良さに目を見張ります。工房に飾ってある様々な食品サンプルはどれも艶があり、食品そのものにしか見えません。
しかし、エミリーには納得いかないことがあり、職人に質問しました。
「確かに食品サンプルを見れば美味しそうだけれど、なぜわざわざ手間をかけて作っているのか?」
この質問に、職人は何でもないことのように答えます。
「食べるということは、目で見て『食べたい』と思う気持ちから既に始まっているからね」
エミリーはこの言葉を聞いて衝撃を受けました。また、スタジオ中の人たちもびっくりしました。確かに、何が食べたいか考えるとき食べたいものを思い浮かべて考えます。その時にメニューの文字や写真だけでなく、実物に近い食品サンプルがあれば、目から味わうことができるのです。
日本食や和菓子は見た目で味わうと言われます。
しかし、食品サンプルを見て、食べる前からもう目で味わっていたのです。
エミリーは、この時のことを鳥肌が立ったと表現しました。日本人の相手を思いやる心は、相手の食べたいと思う気持ちにまで及んでいたのです。
そして、エミリーは工房のショップでかわいいキーホルダーを買いました。
それは1口かじられた小さな「たい焼き」の食品サンプルでした。本当に食べれそうなたい焼きのキーホルダーは、スタジオでも紹介されました。
他にも購入して持ち帰った食品サンプルの「たこ焼き」や「お寿司」を、番組司会者や出演者にスタジオで渡したところ、大変好評のうちに番組を終えたのでした。
この番組は、日本人のおもてなしの心を深く伝えることになりました。
そして、番組が放送されると、視聴者から大きな反響があったのです。
「日本のお土産に食品サンプルをもらったことがあるけど、まさか食べられないとは思わなかったよ」
「見た目が美しい。日本人は食べる前から食欲に訴えてくる」
「たい焼きのキーホルダーがとても可愛い、欲しい。食べたい」
「食品サンプルは既に芸術品といってもいいと思う」
「ほんとに本物のようだ。もっと世界に認められるべきだと思う」
「メニューが読めない時は、サンプルがあれば安心して注文できるね」
「箸が中に浮いている発想が面白いし、何よりとても美味しそう」
「日本人の発想は本当に凄いね。世界をいつも驚かせる」
【JAPANの品格チャンネルより】