『やさしさ通心』を始めるきっかけ

 今、日本社会は「ストレス社会」と呼ばれるように、私たちが子供の頃には考えられなかったような、自己中心的で凶悪な事件が多発しています。
 また、精神疾患で治療を受ける人々も増え続け、いじめや自殺者の数も全く減りません。
理由は様々でしょうが、益々その流れは加速していきそうで、その流れを止める術は全く見当たりません。
「これでいいのか?」そんなことをずっと思っていた時、たまたま見つけた東邦大学医学部教授 有田秀穂先生の著書『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)に、人間の流す“情動の涙”には「抗ストレス能力」、つまり、ストレスを消す力があると書いてあったのです。

 実は私には、ちょっと精神的に弱い子がいて、精神的なストレスやプレッシャーを受けると、微熱が続いたり、激しい頭痛や腹痛等が発生する症状が出て、「何とかならないか?」と思っていましたから「これだ!」と思いました。

 またちょうど、仕事仲間たちに、平日の毎朝は『朝礼メール』というメルマガを配信していましたので、「じゃあ、週に一度、土曜日は嗜好を変えて…」、この“やさしさ通心”で古き良き時代の日本人の姿や感動するお話を配信しようとスタートしたのが、このやさしさ通心です。
それは2009年12月、私が51歳の時のことでした。

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 ところで、人間が流す涙には3種類あり、“情動の涙”というのはその中の一つ、嬉しい時や悲しい時、また、他人に同情した時や感動した時に流す涙を言うそうで、これは人間にしか流せない涙だそうです。
 そして、脳のストレス状態というのは、脳が緊張し交感神経優位になっていることを言うそうで、この交感神経優位の状態を副交感神経優位に変える唯一の方法が、“情動の涙”を流すことなのだそうです。
 仕事仲間への朝礼メールは13年、ちょうど3000回の配信をもって終了しましたが、このやさしさ通は、15年目の今も、今後も続ける予定ですので、宜しくお願い致します。