はじめに
南北に細長く、四季折々の変化がある我が国の大自然は、大変豊かな恵みをもたらしてくれますが、反面、地震や台風、河川の氾濫など、災害も極めて多く引き起こします。
しかし、私たちの先人は、この毎年決まって訪れる長雨、あらゆるものを奪い去る洪水、大木をなぎ倒し轟音と共に襲いかかる台風のあとには、必ず豊かな恵みの季節が訪れることを知り、大自然を畏れる一方で大自然に感謝しました。
ですから、その恵みの前の自然災害を、皆で力を合わせ協力し、何としてでも乗り越えようとしてきたのです。
そしてそれらが、目に見えないものへ感謝の心を向ける「お陰様の心」。つまり、陰になって気づきにくい存在に気づき感謝する心や、立場や考え身分などに関係なく、皆で協力しようとする「和の心」、そして、自分個人のことよりも全体を生かそうとする「自己犠牲の心」や「利他の心」など、日本人独特の精神性を培ってきたのだと思います。
そして、その日本人独特の精神性は、突然の事故や戦争など、個人の力ではどうすることも出来ないような事柄にも、明日を信じて前に進むために、誰かの責任を追求し、とことん恨み続けるようなことはせず、「仕方のない事」として自らの心に受け入れ、「水に流す」という、これまた日本人独特の精神性の根本を形作ってきたように思います。
ですから、世界中の人々は、自然災害や事故が起こった時の我々日本人の対応や行動を見て、驚き、感嘆し、感動するのだと思います。
今年の小冊子、やさしさ通心⑥では、そういった自然災害や事故、戦争など、我々個々の力ではどうすることも出来ない、人知を超えた現実に直面したときの我々日本人の、世界の人々に賞賛された対応や行動のお話をご紹介させて頂きたいと思います。
目次
- はじめに
- 第1話 『どうしても滅びてほしくない一つの民族があります』
- 第2話 『米軍が驚いた日本人の姿』
- 第3話 『うみちゃんからの手紙 ~日本を助けてください~』
- 第4話 『東日本大震災 日本人の道徳心』
- 第5話 『あなたはどこまで人を許せますか?』
- 第6話 『勇沈』
- 第7話 『指を失ったから「ありがとう」と言われる人生になれた』
- 第8話 『天知る、地知る、我知る』
- 第9話 『リンゴの唄』
- 第10話 『稲むらの火』
- おわりに
- 日の丸バッチ剥奪裁判