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 おはようございます。
さあ、6月最後の土曜日です。朝から暑い!!
梅雨は明けたのでしょうか?(笑)
くれぐれも水分補給して、熱中症にご注意下さいね。

『万引きGメン』

 さて、今朝は、万引きGメンのお話しご紹介させて頂きます。

減少傾向だった万引きが、ここにきて再び増え始めている。
警察庁の発表によると、2024年の認知件数は9万8292件。
8万3598件だった2022年から17%も増えている。

拡大しつつあるのが、これはセルフレジでの犯行や外国人グループによる組織的な犯行だ。

キャリア26年目のベテラン万引きGメン・伊東ゆうさんに知られざる修羅場の数々を聞いた。

 年端も行かない子どもたちが買い物カゴも持たず、店内を歩き回っていたら嫌でも目立つ。
姉の小さな手には、使い古されたくしゃくしゃのビニール袋が握られていた。
「離れて見ていたら、お弁当やお菓子、ジュースを堂々とその袋に入れていくんです。
 一通り選び終えると、レジを通さないままフードコートで食べ始めたんです。
 お姉ちゃんが弟に一生懸命ご飯を食べさせていました。
本当なら一口食べた時点で声を掛けなきゃいけない。
 でも、あの時はどうしてもそれができなかった。
 二人が食べ終わるのを待ってから、伊東さんは、『お母さんはどこにいるのかな?』と声をかけた。
 おそらく彼らは大人の助けを待っていたのだろう。堰を切ったように泣き始めたという。

「落ち着かせてから事務所に連れて行き、警察を呼びました。
 シングルマザーの子どもたちだったらしく、母親がスナックに働きに出ているあいだに空腹に耐えられなくなり、犯行に及んでしまったんだそうです。
 大勢の大人に囲まれながら健気に対応するお姉ちゃんの姿を見ていたら、なんだか涙が止まらなくなってしまって……。
 万引き犯を捕まえるのが私の使命です。
でも目の前にいる子どもたちが悪い人間だとは到底思えない。
 放置したとはいえ母親も子どものために働いている。
 じゃあ誰が悪いんだろうって。いろいろと考えさせられた出来事でした」

 空腹に耐えきれず万引きに手を染めてしまう人間もいれば、お金が有り余りながら平然と商品を盗む人間もいる。某百貨店で130万円のコートを万引きした女性はまさにそのケースだ。

「60代後半ぐらいの品の良さそうな女性でしたよ。宝石の付いた指輪を両手にいくつもつけて、いかにもお金持ちという雰囲気でした。
 お金には絶対困っていないはずなのに、店内に吊るしてあったミンクのコートを着たまま、何食わぬ顔で帰ろうとしたんです」

 伊東さんは呆気にとられながらも、店を出たところで女性に声をかけた。
すると「あら、試着中だったわ。すっかり忘れてた!」と白を切ってきたという。

「どう考えても立派な万引きです。だからルール通りに事務所に連れていきました。
 そしたら、よっぽどの太客だったのか、外商の担当者が『◯◯様?!一体どうなされたんですか!?』とすっ飛んできたんです。

 結局、勘違いだったということになり、この客はミンクのコートと長財布をブラックカードで支払って帰っていきました。
 百貨店の人間も『ありがとうございました!』と頭を深く下げちゃったりして。

いや、ただの万引き犯ですからね。

 その後がまた最悪で、担当者から『大事なお客様を泥棒扱いされるとこっちが困るんです』と散々嫌味を言われました。

 彼らは万引きだと分かっていながら、大金を定期的に落としてくれる太客を疑えないんですよ。
はっきり言って、異常な世界だと思いましたね」常に万引きの最前線を立ってきた伊東さんにとって、万引き犯とはーー。

「ズル賢い泥棒ですよ。まるで反省の見えない万引き犯には、あえて“泥棒”という言葉を使って戒めています。
憎いから強い言葉を使っているわけじゃない。自身の愚かな行為を少しでも後悔してほしいんです。
どの万引き犯に対しても本当にこれで最後にしてほしいと常に思っています」

不埒(ふらち)な万引き犯が世にはびこる限り、万引きGメン・伊東ゆうの戦いは続く。

【週間現代 2025年4月7日号より】

□確かに今、セルフレジの普及等、万引きしやすい環境がどんどん増えています。
 しかしそうであっても、敢えてしない。
昔は、「誰も見ていなくても、お天道様が見ている」と、よく言われたものですが、私は子供たちには、「人として生きる上で一番大切な財産は『自信』だ。

 命は別として、信用もお金も大事だが、その前提、もっともっと大事なことは自分で自分が信用出来るかだと。言って来ました。
『自信』とは、イジメられたり無視されたり、失敗したり挫折しても折れない心、強い心だ」と。

その『自信』を養う上で、一番大切なことは自分にウソをつかないこと。

他人にウソをつくことはあっても、自分にウソをついたり、ごまかしたりしたらそれで『自信』は崩壊する。

人間だから、ウソをついたり、ごまかしたり、悪いこともするかも知れない。
でも、「自分はウソをついている。自分は悪いことをしている」と思ってする分には仕方ないことだと、そんな話しをよくして来ました。

昔は泥棒が捕まると、「恐れ入ります」「厄介かけます」と素直に白状するのを、映画やドラマで見ましたが、今は、見苦しいほど最後まで言い逃れしようとしますね。

 ですから私は、自信の裏付けは素直さだと思っています。
素直な人は、自信のある人、逆に、自分に自信のある人は、素直な人だと。(笑)

今日のお話でも、最初のお話の子供たちは、「悪いことをしている」という自覚から素直に泣き崩れていました。
子供って元々そうなんです。
自信があるんです。素直なんです。

それを、自信を失わせるようにしているのは、実は周りの大人なんだと思います。