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 おはようございます。
さあ、2月も折り返し、今週11日は「建国記念の日」でした。ところで、多くの国では「建国記念日」と言いますが、日本では「建国記念日」は言わず、「建国記念の日」と言います。

 その違い、ご存知でしたでしょうか?この機会にしっかり理解して、子供たちに教えてあげましょうね。笑実は「建国記念日」というのは、単に建国されたその日を祝うという意味で、日本の「建国記念の日」というのは、国が出来たこと、建国されたこと自体を祝うという意味なのです。

 そして我が国日本の法律では、この建国記念の日を、「建国をしのび、国を愛する心を養う」と記述されています。また、それがなぜ2月11日か?と言いますと、日本書紀に、初代 神武天皇の即位が紀元前660年1月1日(現在の2月11日)と記述されていることが由来です。

 また、今朝のやさしさ通心の樋口少将の言葉の中に、「※八紘一宇(はっこういちう)」という言葉が出てきますが、それは、この初代 神武天皇が、即位の時に述べられたお言葉です。

 さあ、では今朝のやさしさ通心です。
今週は先週の続き、ユダヤ難民を救い、北海道を守った男、陸軍少将 樋口季一郎のお話です。

『樋口ルート』②

 奇跡と言っていい樋口少将の勇気ある決断によって、2万人のユダヤ人ほぼ全員が助かったのです。救援列車の出動が一日でも遅れていたら、多くの命が失われていたことでしょう。

 しかし、案の定、この事件は後日、日本とドイツの間の大きな外交問題となり、ドイツ政府から猛烈な抗議文が届きました。

 また、陸軍内部でも樋口に対する批判が高まり、樋口に対する処分を求める声が高まります。
樋口は関東軍司令部に呼び出され、当時参謀長を務めていた東條英機に「この責任はどう取るのか!?」と迫られます。

それに対し樋口は、「参謀長。一言、申し開きをさせていただきます」と。

 そして、「確かにドイツはわが国の友好国です。
しかし、ドイツの国策がユダヤ人を迫害することだとしても、それに追従して、助けを求める人々を見殺しにするのが日本の国策であってはなりません。建国以来、日本には『※八紘一宇(はっこういちう)』の精神があるはずです。人種平等を掲げ、世界を一つの家のように慈しむ。それが日本の理想ではなかったのですか?彼らは敵ではありません。ただ、生きる場所を求めている弱者です。
『※窮鳥(きゅうちょう)懐(ふところ)に入れば、漁師もこれを殺さず』
 これが日本の武士道です」

 そして樋口は、全身全霊を込めて、歴史に残る一言を言い放った。

「参謀長!私は日本がドイツの※属国になった覚えはありません!ヒトラーごときに、あのアドルフ・ヒトラーごときに、日本の人道主義が邪魔されてたまるもんですか!」

 当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったナチス総統に、一介の日本軍少将が、「ヒトラーごとき」と言い放ったのです。

 これを聞いた東條英樹は、しばらく無言のまま間を置いて、
「樋口、お前の言う通りだ。当然のことだ。日本はドイツの属国ではない。弱い者いじめに加担するなど、皇軍の恥だ!お前の判断は正しい。 ドイツからの抗議には私が答えよう」

 樋口少将の言い分を認め、ドイツ政府に対して、『当然なる人道上の配慮によって行ったものだ』と、その抗議を一蹴したのでした。

 その後、この樋口の行動は、ユダヤの世界で伝説的に語り継がれることになります。
ユダヤの人々は、彼の勇気と信念を絶対に忘れないと、偉大なる人道主義者「ゼネラル・ヒグチ」の名を、ユダヤで最も格式の高いゴールデン・ブックの4番目に刻み込んだのです。

 戦略論研究の世界的権威として知られる歴史学者エドワード・ルトワックは、この樋口季一郎の偉業について、世界史的な観点から高く評価しています。

 樋口ルートで生き延びた2万人の中には、その後、米国やイスラエルの大使、有名な科学者になった人々もいる。あの混乱の時代に、ヨーロッパではイギリスの首相チャーチルも含め、政治家も官僚も軍人も、ユダヤ人保護の行動を起こせずに、結局、※ホロコーストで600万人ものユダヤ人が犠牲となった。そんな中で樋口少将は、率先して勇気ある大胆な行動を取ったと。

 そして、この事は英雄として広く顕彰されるべきだとも語っています。

〈来週へつづく〉

【インターネットや本等をまとめました】
※ 八紘一宇(はっこういちう)
→ 全世界を一つの家のようにし、人種も民族も宗教も関係なく、それぞれがお互いを尊重し、仲良く暮らすこと。

※ 窮鳥懐に入れば、漁師もこれを殺さず
(きゅうちょうふところにいればりょうしもころさず)
→逃げ場を失った鳥が自分の懐に飛びこんでくれば、猟師もその鳥を殺しはしない。
 まして、人が困窮して救いを求めてくれば、どのような理由があろうと援助の手をさしのべるのが、人の道である。

※属国(ぞっこく)
→ 他の国の支配下にある国を指し、従属国とほぼ同義語です。

※ホロコースト→ 第二次世界大戦中にナチス・ドイツが行った、約600万人のユダヤ人を中心とした組織的な大量虐殺を指す。