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 おはようございます。
さあ、今朝の大阪は大変良いお天気になりました。今日の最高気温は20℃まで上がる予想です。
昨日までとは違って、体がびっくりしてしまいますね。笑

 さて、今朝も先々週、先週に続き、東日本大震災のお話をご紹介させて頂きます。
大災害の中でも失われない日本人の礼儀正しさ、他人を思いやる気持ち、「日本人は民だが高い!」とよく言われますが、それはなぜなのか?考えてみました。

 そして、以下は私の答えですが、やはり「正直者がバカをみない世の中だから」だと思います。
一方、よく民度が低いと言われるお隣中国では、コツコツ努力するより、賄賂を渡したり、コネを使った方が出世したり、商売が上手くいったりすると聞きます。
それだったら誰もが、常に賄賂やコネ、悪さを考えますし、真面目にコツコツ努力する人間をバカにしたりしてしまいます。
 もちろんこれは、中国が共産党支配になってからです。それまでの中国には、古くは世界四大聖人の一人孔子もいましたし、近年でも戦後日本人の残留孤児を育ててくれたり、優しい人が当たり前のようにいました。環境が人の心を変えてしまったのだと思います。

 そして今の日本、やはり心配するのは、この「正直者がバカみる世の中」に向かって進んでいないか?ということです。
一人でも多くの皆さんに、そんな意識を知ってもらいたいなと思います。

『緊急事態だ!早く日本を移せ!』

 激しい被害を受けた被災地の様子を見ながら慎重に車を進めていく取材陣。
その時ダイアンは倒壊した建物の中で、自衛隊員たちが捜索活動を行っている現場を見て、再び車を止めました。
 ダイアンは、震災の救助にあたる自衛隊員に取材を申し入れました。
実際に現地で被災者たちの救助に当たる隊員たちから、話を聞きたいと思ったからです。
町の至るところで被災者たちの救助や捜索活動、そして配給などを続ける自衛隊員たち。
まさに大車輪の活躍ぶりだったのです。
その申し入れが認められ、彼女たちが話を聞くことになったのは、第14戦車中隊の石井三曹でした。

※三曹(さんそう)=自衛官の階級

「自衛隊の皆さんが食事をしている姿を見たことがありませんが、皆さんはちゃんと食事をされているのですか?」

石井三曹はこう答えました。

「きちんと食事はとっています。ただ、炊き出しの食料は被災者の皆さんにほとんどお出ししてしまうので、私たちはレーションの缶詰を食べることが多くなります」

レーション、つまり携行食の缶詰を食べているという答えに、ダイアンは驚きを隠せません。

 1日中瓦礫の中で捜索活動・救助活動を続ける自衛隊の人々が、十分に栄養を摂り、体力をつけることが重要なのに、なぜレーションなのか?炊き出しの食料を最初から隊員のために取り分けることが必要ではないかと彼女は考えたのです。

 その問い掛けを聞いた石井三曹は、きっぱりと否定しました。

「被災者の方々が十分に食べることができない状況の中で、私たちが炊き出しを食べることはありません。炊き出しは何よりも被災者の皆さんが第一です」

 いついかなる時も被災者を優先して考えるという日本の自衛隊の精神を、彼も守っていたのです。

「ですから我々は、被災者の皆さんの目に留まらない場所で、食事をするようにしています。けれど自衛隊の隊員が、被災者の皆さんより豪華な食事を取っているということはありません」

 激しく体力を消耗する救助や捜索の任務を行う彼らにとって、食事による栄養補給は必須のはず、また、日に日に激しく悲しい場面に直面しているであろう彼らです。
せめて食事は少しでも暖かく美味しいものを食べて、心をリラックスさせることが必要なのではないかとダイアンは考えます。

 アメリカでは軍人に対して当然そう考えられていました。

「アメリカの軍人に比べ、日本の自衛隊は食料や休養などの待遇がかなり劣っているように思われますが、どう思われますか?」

 ダイアンの言葉に石井三曹の表情がわずかに曇りました。
それを見たダイアンは質問を変えます。

「毎日の救助活動で辛いことはありますか?」

 この問い掛けに対し、石井三曹はわずかにためらったあと、ある出来事を語り始めました。
瓦礫の山を乗り越え、津波を被って倒壊したある一軒の家に救助に入った時のこと、家の中は家具や襖が倒れて散乱し、泥をかぶった畳の上に一人のおばあさんが横たわる姿が見えました。

「おばあさん、大丈夫ですか? 返事してください!」

 石井三曹や救助の自衛隊員たちが走り寄ると、穏やかな横顔が見えました。

「おばあさん、聞こえますか?」

 石井三曹が大声で呼びながら、その体を抱き起こした時のこと、おばあさんの口の中から大量の泥が溢れ出し、石井三曹の胸元から膝の上にこぼれ落ちました。

既に亡くなっていたのです。

 その場面は捜索にあたった隊員たちの心に、深い衝撃と傷となって残りました。

「私たち隊員は、救助できなかった皆さんの姿を思う時ほど辛いことはありません。自分たちにもっと力があったら、と、誰もが自分の無力さを悔やんでしまうものです」

 このように、悲惨な震災の中での救助活動は、日々隊員たちの心を深くえぐって傷を残していました。そんなある日、石井三曹はある子供に出会い、その子から救助活動を続ける勇気をもらうことになります。あまりに精神的なダメージを深く負ってしまった隊員たちの中には、現場を去るしかなくなった隊員もいたのです。

 また、心を病み、自ら命を絶ったり、除隊するしかなくなった隊員たちさえ少なくありませんでした。こんな重苦しい救助活動の続く日々の中、宿営地を訪ねて来た一人の少女から、石井三曹は1通の手紙を受け取ったのです。

「うみちゃん」という名の少女からの手紙は、こう書き出されていました。

「じえいたいさんへ。げん気ですか。
 つなみのせいで、大川小学校のわたしのおともだちがみんな、しんでしまいました」

 大川小学校では、児童と教職員合わせて、108名の中74名が津波で亡くなるという悲劇が起こったのです。石巻市の北上川の河口にほど近い位置にありましたが、当時の津波浸水予想図では大川小学校は浸水の恐れなし、とされていた場所。

 しかし、校庭に避難していた子供たちと教職員、また子供たちを迎えに来ていた保護者たちは、河口から逆流してきた津波に飲み込まれてしまったのです。
自衛隊員や家族たちは、子供たちの姿を求めて懸命に捜索を続けてきましたが、なかなか遺体の発見が進みません。

 家族の元に帰ることのできない子供たちと、待ちわびる家族たちのことを思うと、胸がつぶれるような思いに苦しんでいた石井三曹、そんな時、石井三曹はうみちゃんからの手紙を受け取ったのです。

「でも、じえいたいさんががんばってくれているので、わたしもがんばります。
 日本を助けてください」

「日本を助けてください」

といううみちゃんの言葉がどれほど石井三曹の心に感動を与え、励ましたでしょうか。

「その手紙を見たとき、明日からも頑張るぞ、という勇気が胸いっぱいに湧いて、疲れも吹き飛びました。自分たちのやっていることが人々のためになっているんだと、改めて認識できたのです」

 そして、その手紙はこのように結ばれていました。

「いつも、おうえんしています。じえいたいさん、ありがとう」

 ダイアンは帰国後ただちにABCニュースで、東北の震災についての特番を組み、取材内容を報告、その番組のテーマは、この大災害の悲惨さと一人一人の被災者の物語や住民の強い絆。

 そして、互いに支え合い、災害に立ち向かう日本人の強さと優しさに光を当てました。
それを見た出演者たちは感動の涙を流したのです。
 視聴者からも多くの感動のコメントが番組に寄せられました。

「食料の配給に当たる自衛隊員たちが銃を持っていないということにびっくりしたけれど、誰もが規律を守っているだけではなく、互いを思いやっているんだな」

「たとえ救助が間に合わず、被災者が亡くなっていたからといって、自衛隊の皆さんが自分を責めることがないように」

「日本の経験から我々も学び、エネルギー政策や防災に対して意識を高めていく必要がある」

 ダイアンがこの取材の中で日本で目にしたものは、単なる災害の悲惨さだけではありません。
日本人が見せた冷静さ、優しさ。そして秩序を守る姿勢の美しさは、彼女の心に深く刻まれ、番組を通じて世界中の人々に伝えられたのです。

【世界が見た日本 チャンネル】より